骨組構造解析のためのフリーウェア FPHM と FPHM-D

繊維化塑性関節法による骨組構造解析プログラム FPHM と FPHM-D v5.10
(2024年3月5日改訂)

(連絡先:shugyo@nagasaki-u.ac.jp 修行 稔(長崎大学名誉教授))
(English page: http://hdl.handle.net/10069/37150

FPHM & FPHM-D v.5.10-64(Windows 64bitOS 対応)プログラムとマニュアル

<更新履歴>
v4.02から本解法の不平衡力解消方法の重要性を示す付録1を追加しています。
v4.03から部材破断を含む骨組の挙動の解析が可能です。
v4.05から骨組の不平衡力評価に必要な内力の計算方法の選択が可能です(付録2)。
v5.00から鋼材の降伏後のひずみ硬化係数の入力を可能にしました。このため,入力データの中の材料定数の数と入力順が少し変わりました。
v5.10から出力の量が増え,出力を指定する入力データも増えました。


 FPHMは,鋼部材・RC部材・SRC部材・CFT部材・PC部材・合成はり・鋼材制振ブレース・トラス部材・引張りブレースの混在する骨組の三次元的な大変形弾塑性解析を行う解析コードです。もちろん,平面骨組解析にもそのまま使用できます。基本としている解析モデルは繊維化塑性関節モデルFPHM(Fibered Plastic Hinge Model)[1−10]です。壁の影響が無視できる骨組あるいは壁が等価なはり柱部材に置換できる骨組が適用対象です。部材のせん断破壊の判断は内部では行いませんので,解析結果を用いて別途検討する必要があります。部材接合部や柱脚の回転剛性と耐力を容易に設定できます。

 FPHM-Dは,FPHMを骨組復元力の算定に用いた大変形弾塑性動的応答解析コードです[17,26]。鋼部材・RC部材・SRC部材・CFT部材・PC部材・合成はり・鋼材制振ブレース・トラス部材・引張りブレースの混在する骨組の三次元的な地震応答解析を行うことができます。なお,FPHM-Dによる解析結果が「E-ディフェンス・ブラインド解析コンテスト2009」[21]で3位に入賞しています。

 解析可能な骨組モデルの総節点数はs64.exeとd64.exeで1200,ms64.exeとmd64.exeで600です。

 マニュアルの目次は以下の通り。

1. はじめに
2. 繊維化塑性関節モデル(Fibered Plastic Hinge Model)の特長
3. FPHMの信頼性の検証
4. FPHMの入力データファイルの基本構造と解析例
 (1) 基本モデルによる解析
 (2) 補正モデルによる解析(塑性変形低減係数の導入)
5. 入力データの作成方法
 (1) 骨組の要素への分割と節点座標値
 (2) 要素両端の節点番号
 (3) 断面形状,寸法および材料定数
  (a) 標準的な部材
  (b) プレストレスト・コンクリート(PC)部材
  (c) 十字およびT字鉄骨内臓SRC部材
  (d) スラブの影響を考慮したRCはり部材
  (e) 偏心付与用の仮想の要素と欠番にする要素
 (4) コードアングル
 (5) 半剛接機能および特殊な部材の指定
  (a) 半剛接接合
  (b) 引張りブレース
  (c) 鋼材制振ブレース(座屈拘束ブレース)およびトラス部材
  (d) RCスラブ面内剛性置換用ブレース
  (e) 半剛接機能等に関する入力データの作成例
 (6) 固定節点
 (7) 初期荷重(長期荷重)
 (8) 荷重増分
 (9) 解析の制御に用いる変位
 (10) 除荷点の数と各除荷点の変位
 (11) 出力する荷重と変位
6. FPHMの実行と結果の出力
 (1) 入力データのチェックと初期荷重に対する解析結果:s6.txt
 (2) 荷重〜変位関係:s7.txt
 (3) 骨組の降伏状況:s8.txt
 (4) 各要素の要素端力:s9.txt
 (5) 荷重〜変位関係の最終点での要素端力:s9.txt
7. FPHM-Dの使い方
 7.1 プログラムの概要
 7.2 2層1スパン門形平面ラーメンの振動解析例
  (1) 入力データファイルの作成
  (2) 骨組の固有振動数の計算
  (3) 地動加速度データファイルの準備
 7.3 FPHM-Dの実行と結果の出力
  (1) 入力データのチェック:d6.txt
  (2) 指定した5つの層の層せん断力と層間変形角の時刻歴:d7.txtとd10.txt
  (3) 200ステップおきの骨組の降伏の進展状況,各節点の座標値,現時点
    までの各層の変位・層間変形角・加速度・層せん断力の最大値:d8.txt
  (4) 200ステップおきの全要素の要素端力:d9.txt
8. グラフの作成(gnuplot の導入)
9. まとめ
10. 参考文献
<付録1> 要素の破壊判定値ηの設定と破壊した要素の骨組からの除去および
     不平衡力の解消
<付録2> 不平衡力の評価に用いる内力の計算方法の指定

<参考文献>