@article{oai:nagasaki-u.repo.nii.ac.jp:00016158, author = {野村, 亜由美}, issue = {2}, journal = {保健学研究, Health science research}, month = {Mar}, note = {精神科医/臨床家・小澤は,数年前肺がんの告知を受け余命一年と宣告された.死を前にした小澤が「ぼけ」,「ケア」をどう捉えているのか.本書には専門用語がほとんど用いられず,平易な文章で綴られている.平易な文章で「ケア」を語る切り口は,「ケア」がおそらく万人が共通して持つであろう<やさしさに至る知>であり,そしてそれが,精神科医/臨床家として得た答えだったと考えられる.小澤は,痴呆という障害のありようを明らかにし,暮らしのなかで彼ら(認知症を患うもの)が抱えている不自由を知ること,できないことは要求せず,できるはずのことを奪わないこと,そして現在の暮らしぶりを知り,彼らが生きてきた軌跡を折にふれて語っていただけるようなかかわりをつくりたいと考えてきた.小澤は,研究者あるいは医療者が社会的に力を持つのは仕方がない.大切なのはそれを自覚することであるという.そのことばを受け筆者が感じたことは,医療に限らず,人類学者が対象を一方的に研究するのではなく,研究の対象となる人たち自身に人類学者になってもらって自らを研究し,そして自らが置かれている状況や文化を相対的な視点からながめるようになる.病気を患う人たちや医療に携わる人たち双方が,自らの状況を文化人類学的な視点でみつめるようになり,それぞれの立場や置かれた状況から解放されていく.そんな「野生の人類学者たち」が生まれることを期待しながら書評としてまとめた., 保健学研究 21(2): 73-78,2009}, pages = {73--78}, title = {<書評> 小沢 勲編著『ケアってなんだろう』}, volume = {21}, year = {2009} }